2012年1月の代表メッセージ

■□新しい年を迎えて…□■
 あけましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願い申し上げます。

 昨年は、皆様のご協力をいただき、シンポジウムや講演会を、京都市、たつの市、防府市、赤穂市、福岡市、札幌市で開催し、いじめへの対処やいじめの現実を訴えさせていただきました。
 また、品川区、千葉市、広島市、明石市、岡山市でいじめ防止セミナーを開催することができました。
 遠くまでお越し下さった皆様、ご協力いただいたサポーターの皆様に心から感謝申し上げます。

 また12月には、北海道のサポーターの皆様のご尽力により、北海道教委並びに札幌市教委から、いじめ防止ポスターへの後援許可をいただきましたので、今後、北海道内の全小中学校にポスターを送付し掲示していただく予定です。

 昨年は、二学期の始業式の前後に相次いで子供たちの自殺が報道されました。
 今までにない異常な事態だと感じましたので、私たちもホームページやブログを通して、いじめ自殺の防止啓発、啓蒙も行ってゆきたいと思っています。皆様のご協力を賜れれば幸いに存じます。

 さて、本年、2012年(平成24年)度は、小学校に引き続いて、中学校でも新しい学習指導要領が完全実施されます。
 ゆとり教育との決別が本格化される年となります。教科書も新しいものに変わる年です。
 不思議ですが、一度減らしたり、やめてしまったものを復活するのには大変な労力が要ります。
 「元に戻せばいいんでしょ」と思うのですが実際は簡単にはいかないものです。

 昨年、出会った中学校の先生は、「いきなり教科書が難しくなって教師も困惑しているんです。
 特に若い先生は薄い教科書しか知りませんから、どう教えていいのか困っています。
 もう少し段階的にしてもらいたんですけどね。」と話していました。

 薄い教科書で、薄い内容を教えていたのですから、子供たちの学力不足は当然の結果だったと言えます。
 学力向上のためにはもっともっと力を注がなくてはなりませんし、かつ急がなくてはならないと思います。
 それが日本の未来を担う力を育てるはずです。

 いじめの対処も同じで規範意識が薄れてしまっている学校では、「正しいことは正しい。悪いことは悪い」と言える環境を構築することは大変です。
 でも、それが必要ならばやらなくてはなりません。いじめ対処のポイントもこの規範意識の醸成にあります。

 いじめが起きたときの対処を中心に相談にのり解決しようと努力してはいますが、本来は、「いじめたい」、「気にくわないからいじめよう」とか「いじめたら面白い」と思っていじめを実行する子が、「いじめはいけない。自分はいじめなんかしない」といじめたい誘惑に勝てればいじめは無くなります。単純なことなのです。
 そのためには、規律を守り、善悪をはっきりさせ、自立する子を育てなくてはならないのです。

 教育再生の根本は、学力の再生と善悪の価値判断の再生が必要です。
 この新しい学習指導要領によって日本の教育が、今年の干支の辰、竜のごとく飛翔するターニングポイントになることを期待したいと思います。

いじめから子供を守ろう ネットワーク

代表 井澤 一明