■SNSでの「ネットいじめ」
今のネットいじめの中心は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に変わってきています。
LINE(ライン)、TWITTER(ツイッター)、FACEBOOK(フェイスブック)などを使って、いじめが行われています。
特にLINEがその中心なのですが、LINEは閉鎖された中で行われるため、外からは見えにくく、発見するのが難しいところが非常に問題です。
対処方法は、通常のいじめと同じように学校と交渉していくことになります。
※いじめ解決方法を参照←ここをクリック
この時、メールなどと同じように、証拠のために、スマートフォンでスクリーンショットを取っておくことが大切です。
1)誹謗・中傷の書き込み
インターネット上の掲示板やブログ(ウェブログ)、プロフ(プロフィールサイト)に、特定の子どもの誹謗・中傷を書き込み、いじめにつながっている場合もあります。
2)個人情報を無断で掲載
掲示板やブログ、プロフに、本人に無断で、実名や個人が特定できる表現を用いて、電話番号や写真等の個人情報が掲載され、そのために、迷惑メールが届くようになったり、個人情報に加えて、容姿や性格等を誹謗・中傷する書き込みをされ、クラス全体から無視されるなどのいじめにつながったりしたケースがあります。
3)他人になりすまして犯罪行為を行う
他人になりすまして、無断でプロフなどを作成し、その特定の子どもの電話番号やメールアドレスなどの個人情報を掲載した上、「暇だから電話して」などと書き込みをしたことにより、個人情報を掲載された児童生徒に、他人から電話がかかってくるなどの被害があります。
【参考】掲示板・ブログ・プロフとは
(電子)掲示板・・・参加者が自由に文章等を投稿することで、コミュニケーションを行うことができるウェブサイトのこと。掲示板の管理者がテーマ等を設定し、その内容に沿った書き込みをする。 ブログ・・・・・・・「ウェブログ」の略。個人や数人のグループで管理運営され、日記のように更新されるウェブサイト。携帯電話等を使用して更新するブログは「モブログ」と呼ばれている。 プロフ・・・・・・・「プロフィールサイト」の略で、パソコンや携帯電話からインターネットを利用して、自己紹介サイトを作成することができる。事業者(プロバイダ)が行っている無料のプロフィール作成用サービスを利用すれば、小中学生でも簡単に作成することができる。不特定多数の者が見たり書き込んだりすることができる。 |
■メールでの「ネットいじめ」
1)メールで「死ね」「キモイ」などの悪口を言う
誹謗・中傷のメールを繰り返し特定の子どもに送信するなどして、いじめを行ったケースがあります。インターネット上から、無料で複数のメールアドレスを取得できるため(サブアドレス)、いじめられている子どもには、誰からメールを送信されているのか判らないこともあります。
2)「チェーンメール」
特定の子どもを誹謗・中傷する内容のメールを作成し、「複数の人物に対して送信するように促すメール(チェーンメール)」を、同一学校の複数の生徒に送信することで、当該生徒への誹謗・中傷が学校全体に広まったケースがあります。
3)「なりすましメール」で仲たがいさせる。
第三者になりすまして送られてくるメールのことを、「なりすましメール」と呼んでいます。なりすましメールは、子どもたちでも簡単に送信することができます。クラスの多くの子どもになりすまして、「死ね、キモイ」などのメールを特定の子どもに何十通も送信した事例などもあります。
【参考】なりすましメール対策
送信者のメールアドレスを第三者に偽装した上で送信する「なりすましメール」について、受信拒否できるようなサービスを、各携帯電話会社が提供しています。携帯電話の「メール設定」というメニューから、簡単に手続ができるようになっています。その他、迷惑メールについても、受信拒否などの設定が可能です。
詳しくは、各携帯電話会社のウェブサイトをご参照ください。
■その他
口こみサイトやオンラインゲーム上のチャットで、誹謗・中傷の書き込みの事例などがあります。また、最近の事例では、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を利用して、誹謗・中傷の書き込みを行うことが増加してきています。「ネット上のいじめ」は、インターネットの使い方の変化や新しいシステムやサービスなどの出現などにより、新たな形態のいじめが生じることが考えられます。
【参考】
SNS・・・・・・・ソーシャルネットワーキングサービスの略。コミュニティ型の会員制のウェブサイトのこと。既存の会員からの招待がないと会員になれないという形式をとっていることが多い。会員になると、自由に書き込みを行うことができる。 口こみサイト・・・・インターネット上で、様々な物事の評判を情報交換のためのウェブサイトのこと。利用者が自由に書き込むことができる。 オンラインゲーム・・コンピュータネットワークを利用して、別々の場所にいても、オンライン上で同時に同じゲームを行うことができるもの。ゲームだけではなく、チャット等への書き込みを行うことで、コミュニケーションを行うことができる。 携帯の無料オンラインゲームでは、モバゲータウン、フリフオンラインモバイル等、有料サイトでは、エレメンタルナイツオンライン、ネバーワールドオンライン等が人気です。 |
■掲示板等の削除方法
掲示板やブログ、プロフ等への誹謗・中傷の書き込みなどの「ネット上のいじめ」が有った場合は、被害の拡大を防ぐために、次に示す手順で、書き込みの削除を迅速に行う必要があります。
1)書き込み内容の確認
まず、その内容を確認します。その際には、書き込みのあった掲示板等のURLを控えるとともに、書き込みをプリントアウトするなどして、内容を保存するようにしましょう。
掲示板等の中には、パソコンから見ることができないものも多くあります。その場合は、携帯電話から掲示板等にアクセスする必要があります。また、携帯電話での誹謗・中傷の場合は、プリントアウトが困難なため、デジタルカメラで撮影するなどして内容を保存します。
2)掲示板等の管理者に削除依頼
掲示板等のトップページを表示し、「管理者へのメール」や「お問い合わせ」と表示されているところを探します(ページの下の方にあることが多いようです)。該当箇所をクリックすると、管理者にメールを送ることができるページが表示されます。そのページに、件名、内容等の事項を書き込んで、「送信ボタン」を押して送信すると、管理者にメールが届くようになっています。
なお、削除依頼の方法は、それぞれの掲示板等によって異なるので、先に「利用規約」等に書かれている削除依頼方法を確認する必要があります。
削除依頼を行う場合は、出来るだけ個人のパソコンやメールアドレスは使わず、学校等に協力してもらい、学校等のパソコンやメールアドレスから行うことが適当です。また、削除依頼を行うメールについて、個人の所属・氏名などを記載する必要はありません。掲示板等の管理者の中には、悪意のある人もおり、個人情報を悪用される場合もあります。
3)掲示板等のプロバイダに削除依頼
掲示板等の管理者に削除依頼しても削除されない場合や、管理者の連絡先が不明な場合などは、プロバイダ(掲示板サービス提供会社等)へ削除依頼を行います。
【参考】掲示板等の管理者・プロバイダへの削除依頼のメールの文例 以下の例を参考にしながら、分かりやすく簡潔に書くようにしましょう。その際には、削除が必要なURLや書き込みNo.、削除理由を記載する必要があります。 [件名]【削除依頼】誹謗・中傷の書き込み [本文] URL : http:// ~ スレッド : http:// ~ 書き込みNO.: 違反内容 :(具体的な書き込みの内容を書いてください。) 削除理由 : 上記の掲示板内に、個人を誹謗・中傷する書き込みがあり、当人が大変迷惑しています。更に書き込みが行われると、犯罪に発展する可能性もあります。 貴サービスの利用規約等に基づき、当該書き込みの削除を行うようお願いいたします。 |
4)削除依頼しても削除されない場合
管理者やプロバイダへの削除依頼をしても削除されない場合は、送信した削除依頼メールに不備がなかったか内容を確認し、不備があった場合には、必要な情報を追加し、削除依頼メールを再送します。削除が必要なURLや書き込みNo.などの記載がなかったために、削除されていない場合もあります。
それでも削除されない場合は、警察や法務局・地方法務局に相談するなどして、対応方法を検討します。
・警察との連携
「ネット上のいじめ」の問題に対し、適切に対応していくためには、教育委員会等が中心となって、各地域の状況に応じた、学校と警察との協力体制の構築を検討することも有効です。
例えば、神奈川県では、学校において削除依頼の手続を行ったにも関わらず、悪質な書き込みが削除されない場合などは、警察本部少年育成課内に設けられた専用の窓口を通じて警察本部と連絡を取り、削除依頼の方法などについて指導・助言を受けています。
・法務局・地方法務局との連携
法務省の人権擁護機関である全国の法務局・地方法務局では、インターネット上の掲示板等にプライバシー侵害に当たる悪質な書き込みがなされたとして被害者等から相談を受けた場合、掲示板等を管理するプロバイダ等に対して、削除を依頼する方法や発信者情報の開示を請求する方法など、事案に応じた適切な助言を行っているほか、被害者自ら被害の回復予防を図ることが困難であるような場合は、表現の自由に配慮しつつ、法務局・地方法務局からプロバイダ等に対して削除要請を行っています。
学校だけの対応では解決できない場合などは、法務局・地方法務局に相談して対応することも有効です。
【参考】
常設人権相談所22~23頁「参考資料」参照
専用相談電話子どもの人権110番/0120-007-110
インターネット人権相談受付窓口(SOS-eメール)
パソコン:http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken113.html
携帯電話:http://www.jinken.go.jp/soudan/mobile/001.html
啓発資料
「はなまる人権学校 人権侵害のない、快適なインターネット環境を作ろう」
http://www3.gov-online.go.jp/gov/pickup_flash/200607/f_netjinken.swf
■チェーンメール等への対応
一般的に、同じ内容を不特定多数の人に転送するよう求めるメールを、チェーンメールといいます。「ネット上のいじめ」に分類される誹謗・中傷に関するもの以外にも、様々な内容のものがあります。メール中に、「このメールを○○人に転送してください」というような内容が書かれているものは、すべてチェーンメールです。
チェーンメールの内容例
1)幸福・不幸(の手紙)系
「このメールを回さなかった人が不幸になった、メールの逆探知を行っていて止めた人が分かる」、などの文面に恐怖心をあおる画像を添付・リンクさせているなど。
また反対に、転送をすると恋愛がうまくいったり、願いが叶うなど、良い事があるという内容。なかには、無料で待ち受け画像がもらえるというものもあるが、実際はいくら転送をしても「転送量を満たしていない」などの固定のメッセージが出るのみ。
2)宣伝系
不幸の手紙をベースにしたものに、広告宣伝のためのHPアドレスを含むもの。リンク先へ飛ぶと、チェーンメールの内容に絡んだホラー画像や、携帯の待ち受け画像などが表示され、同一画面に業者のHPへのリンクを一緒に表示させることで、自サイトへ誘導する。出会い系やアダルト系サイトが多い。
心理テストのゲームと言って安心させ、文章を最後まで読むとチェーンメールといったものが多い。
携帯メールで使用できる絵文字に非公式な「裏絵文字」があるというチェーンメール。転送することで絵文字がもらえるとされるが、実際は絵文字が増えることはない。
3)募集系
募金や献血のお願い、ペットの飼い主捜しなどの善意の内容や、テレビ番組の実験でチェーンメールを転送しているなど、受信者の良心を逆手にとって、転送させようとするもの。電話番号や住所など含むものがありますが、アダルト番組へ繋がり、料金請求されたり、まったく関係のない第三者の情報が使われていることもあるので、絶対にアクセスしたり、連絡を取ったりしてはいけません。
テレビ番組の企画といつわって転送させようとするメール。実験競争中の企画で、後日放送するなどあるが、もちろん番組とは何の関係もない、ただのいたずら。
日付を指定し、有名駄菓子をコンビニでいっせいに買い占めようという内容。意図は不明。不発に終わることが多いのか、日付だけを変えたメールがしばらく続くことがある。
4)誹謗・中傷(嫌がらせ)系
◆○□中学△年の××という生徒はとんでもない
◆ここの病院に誤診されてひどいめにあった
◆この銀行はもうすぐ倒産する
等のように、個人的な悪意やいたずらで、ある人物や団体、事業者などを中傷するために転送させようとするもの。
5)その他
リンク先のアドレスをクリックすると延々と画像を開かせて携帯のブラウザをフリーズさせるなどし、受信者を驚かせて転送を促すもの。
「あなたはかける勇気がありますか。芸能人の携帯電話番号です」といった度胸試しのような内容。実際はかけてきた相手から料金請求するための電話番号で、「ワン切り」などに使われているものが多い。
(出典:「撃退!チェーンメール」財団法人日本データ通信協会 迷惑メール相談センター)
◇チェーンメールの被害を防ぐため
1)携帯電話やパソコンからのメールは、誰に転送したか若しくは転送しなかったかについて、第三者が知ることは、通常の方法では不可能であること。
2)チェーンメールの内容は、架空の内容であり、チェーンメールを転送しないことで、不幸になったり、危害を加えられたりすることはないこと。
3)チェーンメールを転送すると、受け取った人は迷惑し、友人関係を損ねる可能性もあるので、絶対に転送しないこと。また、チェーンメールの内容に、特定の個人を誹謗・中傷する内容が含まれているものを転送した場合、自分自身も「ネット上のいじめ」の加害者となること。
4)チェーンメールを送ってきた人に対して、抗議のメールを送るなどの行動は、トラブルの原因にもなるため、行わないようにすること。
5)チェーンメールに書かれている電話番号やメールアドレス等は、メールの内容とは無関係であり、こちらから連絡しないこと。
6)チェーンメールに書かれているウェブサイトのアドレスにはアクセスしないこと。出会い系サイトやアダルト系サイトなど大変危険なサイトにつながる場合があること。
【参考】チェーンメール転送先
チェーンメールの転送先は、risu1@ezweb.ne.jp、dakef1@docomo.ne.jp、kuris1@t.vodafone.ne.jp などがあり、
(財)日本データ通信協会迷惑メール相談センター等において、アドレスを紹介しています。
http://www.dekyo.or.jp/soudan/chain/index.html
※参考資料
平成20年11月文部科学省 「ネット上のいじめ」に関する対応マニュアル より
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/20/11/08111701.htm