今月の代表メッセージ

11月の代表メッセージ


☆2022年11月10日☆
[いじめから子供を守ろう メールマガジン]

◇ 代表メッセージ ◇
■□ 令和3年度の「いじめ認知件数」が公表されました □■

街路樹も紅葉し、歩いているだけで、鮮やかな紅や黄色が目に飛び込んでくるような気がします。
11月に入り、コート姿の通勤姿も多くなりました。
受験を控えている子どもたちはラストスパートをかけていることでしょう。

さて、10月27日に文科省から
「令和3年度(2021年度)児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果が
公表されました。
いじめ認知件数は、61万5,351件と前年度比9万8,188件増で過去最多となっていますし、
いじめの重大事態も705件となり191件増加しています。
この増加要因を文科省は、
——
「令和3年度は新型コロナウイルス感染症の影響が続き、
感染を予防しながらの生活となったが、
部活動や学校行事などの様々な活動が徐々に再開されたことにより
接触機会が増加するとともに、
いじめ防止対策推進法におけるいじめの定義や
いじめの積極的な認知に対する理解が広がったことなどで、
いじめの認知件数が増加した。」
——-
と分析しています。

今回の調査結果について各報道では、
いじめ認知件数が過去最高を記録したことと共に、
「いじめの態様のうちパソコンや携帯電話等を使ったいじめ」、
つまりネットいじめの認知件数が2万1,900件となり、
前年度から3,030件増えたことがクローズアップされています。
確かに、2014年度にネットいじめが7,898件だったことを考えますと、大きく増加しつつあります。
しかしながら、2019年に学校への携帯端末の持込みを容認する流れが始まり、
2021年4月からはGIGAスクール構想により1人1台の端末配布が開始された状況では
ネットいじめが増えるのは当然の結末だと言えるのではないでしょうか。

改めて数字をみてみますと、
一見すると、今回のいじめ認知件数を前年度と比較すると大幅に増加したように見えます。
前々年度の2019年度のいじめ認知件数である61万2,496件と
今回のいじめ認知件数を比較してみると、2,855件の増加にすぎません。
2020年度の数字は新型コロナの影響が大きく、数字としては例外と見るべきです。
したがって、横ばい状態と見るべきだろうと思います。

2021年3月、旭川市で当時中学2年生のいじめ凍死事件が起きてしまいました。
その旭川市では、今回、認知件数が計241件と報告しています。
前年度の計148件から、約62.8%増です。
事件が起きて問題になったので、今回はしっかり調査しましたと言っているようにしか見えません。
残念な姿勢です。
このような隠蔽体質がいまだに幅をきかせている自治体は減りつつあると認識しておりますが、
まだまだ残っているということも事実です。

この認識の上でもう一度、いじめ認知件数を見てみましょう。
各都道府県のいじめ認知件数を見ると、山形県の千人あたりの認知件数は、126.4件となっております。
毎年のごとく述べていますが、山形県のみが突出していじめが起きていると思えないのです。
山形県の調査が詳細だったにすぎないのではないでしょうか。
さすれば、全国の生徒数約1300万人に掛け合わせると、160万件という数字が見えてきます。
その意味では、調査方法のばらつきがあると言えますし、
いじめ認知件数は100万件近くになっておかしくはないのです。
文科省は、調査方法について、より詳細に指示を出す必要があるでしょう。

一方、今回の調査結果での懸念材料として不登校数の増加が挙げられます。
小中学校の不登校児童生徒数が、24万4,940人。
前年度19万6,127人から24.9%増の48,813人増えるなど急激な増加となりました。
不登校増加に関しては、2020年度の新型コロナウィルスの蔓延による一斉休校などの影響もあり、
学校を休むことの心理的ハードルが大幅に下がったということも大きな要因の1つと考えられます。
加えて、今回の調査では、不登校の数とは別に、
新型コロナへの感染を避けるために長期欠席した小中高校生の人数にも注目したいと思います。
2020年度は約3万人でしたが、2021年度は7万人を超えてしまいました。
日本の未来社会を支える子どもたちに基礎知識は必要です。
一部議論もされているようですが、
もし、仮に「学校に通わない」という選択を、文科省が、「可」とするのであれば、
それに替わる知識の習得方法を提示しなければなりません。
将来の日本、そして日本の発展を支えることは需要な案件であると思うのです。

いじめ認知件数の増加とともに、
いじめの相談も増えてきつつあります。
何か気になることがありましたら、
お早めにご相談ください。

一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明

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