2012年12月の代表メッセージ

■□ 書籍紹介「いじめを絶つ! 毅然とした指導3」 □■
 12月に入りました。今年は衆院選もありあわただしい年末となりそうです。
 子供たちにとっては、クリスマス、そして冬休みが目前に迫っています。
 受験生は最後の追い込みをしていることでしょう。

 今月、こんな書籍が発刊されました。
 それが「いじめを絶つ!毅然とした指導3」(山本修司編 教育開発研究所)です。
 副題には、「子どもの命を守った現場教師たちの実践」とあります。
 この毅然とした指導シリーズも3巻目に入りました。
 大津のいじめ自殺事件を受けて、第3巻では、いじめに特化し43例の教師によるいじめ解決事例が満載されています。
 一編一編は、簡潔に数ページでまとめられておりますが、それぞれ必死に子供たちを守らんとする教師の熱意が伝わってきます。
 文字では語られてはいませんが、その背後にあるいじめと必死に闘った先生たちの姿が見えるような気がいたします。

 編者である山本修司氏は、いじめ等の問題行動を解決するには、「ダメなものは何があってもダメとする毅然とした指導が必要である」と冒頭に述べています。
 さらに、いじめ自殺事件を通して見えるのは「加害生徒に対するあまりにも受容的すぎる対応であり、被害生徒を救うという強い決意が欠落した学校の姿」だと断言しています。

 「いじめは絶対に許さない」という毅然とした姿勢は、教師として当然のことと語り、続けて、学校は「傍観者になるな」と指導しているにもかかわらず、子供が教員に通報してこないのは、「信頼されていない自分たちが反省せねばならない」と述べています。
 しかも、「謝罪の会」の重要性と、「1日で解決するのが理想」と言い切っています。

 まさしくその通りですね。私たちが発信している主張と全く同じです。
 山本先生のような先生方がこんなにもいるんだということは、私たちにとっても心強い限りです。
 この当たり前の先生の「常識」を全国91万人を超える教員の常識にしなくてはなりません。

 このために、少しずつですが、「いじめ防止条例」の制定を求めて陳情活動もしておりますし、いじめの相談や講演活動を通して、正しさが通る学校を全国に増やして行きたいと思っています。
 「いじめのない学校」は必ずできます。いじめを解決できる学校があります。現実にいじめのない学校もあります。

いじめから子供を守ろう ネットワーク

代表 井澤 一明