2013年8月の代表メッセージ その2

□■ いじめの原因は家庭? ■□
 東京近郊では、しばらくぶりに夏らしい天気になりました。

 近頃、井澤個人のFacebookやブログで、いじめについての基本的な考え方を掲載しています。
 また、先日は、名古屋テレビの「ドデスカ!」に電話出演させていただきました。

 そうした中でテレビのコメンテーターや記事へのコメント、またお会いした方からも「いじめの原因は家庭にあるのでは」、「親がもっとしっかりすべきだ」というご意見をいただくことが多くありました。

 夏休みという時期ですので、改めて「いじめと家庭」について少し述べさせていただきたいと思います。

 結論から申し上げます。
 「いじめ加害者が、家庭環境の影響を多く受けているのはその通りである。しかし、家庭を教育する場は存在しない」ですから、学校という場で正しい教育が必要だと言えるのです。

 実際に、いじめ加害者の親が、「うちの子は悪くない」というチラシを撒いた、被害者宅に、8人で乗り込んできて脅迫してきた、爆竹を投げ込まれたと等々の相談が届いています。
 明白な証拠や証人がいても、「私はうちの子を信じます」と頑としていじめを認めない親は数えきれないほどいます。
 それどころか、「うちの子は、あの子に間違い教えるために殴ったんだ。感謝してもらいたい」とさえ言い張る親もいます。

 こんな親が、自分の家庭を振り返ることは、なにか余程の事が起きない限りありえないことでしょう。
 この親を誰が教育できるのでしょうか。
 警察にでもごやっかいにならなければ、矯正することはできそうにもありません。
 親自身が、「自分がよければいい」という価値観を持ち、「見つからなければいいんだ」、「証拠が無ければ、こちらの勝ちだ」、「謝ったら負けだ」などの自分勝手な考えに染まっているのです。

 こんな大人が育ってしまったのは、戦後教育の間違いでもあります。
 もっと狭く言えば、1980年以降の学校教育によって、日本人の価値観が変わってしまったと感じています。
 特に、1992年の学習指導要領の改訂以降は、より顕著になりました。
 結局、「ひどい親」を教育する機関や機会は存在しないと言っても過言ではありません。
 また、PTA等の勉強会にもひどい親はほとんど参加しませんし、参加しても自分の考え方を変えようとしないのです。
 私たちは、子供たちをこんな親にしないためにも、学校の教育のあり方を変えて、「善悪の判断できる子」に育てる必要があると考えています。

 いじめを何とかしたいと考えて始めたこの活動ですが、子供たちの現実を間近に見てきて、いじめ撲滅運動を端緒にしながらも日本の教育を変えなければならないと強く感じています。
 日本の未来を担う子供たちに、まずは「良いこと、悪いことのけじめができる子」になって欲しいのです。
 「ならぬものはならぬものです」という会津藩の什の掟は今でも大事な考え方です。

いじめから子供を守ろう ネットワーク

代表 井澤 一明