2013年10月の代表メッセージ

□■ 「いじめ防止対策推進法」施行 ■□
 10月に入りました。朝晩は寒く感じる日も多くなってまいりました。
 この時期は、いじめ相談が増加する時期でもあります。
 夏休みが終わってばたばたしていた学校が落ち着きを取り戻すと同時に、いじめも増えてまいります。
 保護者、特にお母さんには、お子さんの言葉や行動に目を配っていただきたいと思います。

 さて、9月28日に、「いじめ防止対策推進法」(以下「いじめ防止法」)が施行(しこう)されました。
 品川区では各学校に「目安箱」を設置したということも報道されておりましたが、国としての「基本方針」がまだ定まっていないという状況です。
 国の基本方針が定まらないと各都道府県においての「基本方針」も定められないということになります。

 しかし、施行されたということは、この法律に基づいて国、学校、教育委員会は、いじめ防止、いじめ対策を実行しなくてはならないということです。
 具体的には、学校は、いじめ対策の組織を設置する必要があります。
 さらに、いじめの早期発見につとめ、いじめが起きたなら、いじめられた子を保護し、加害者を指導しなくてはなりません。

 現段階での現場はどうかというと、残念ながら、学校は「いじめ防止法」を無視しているか、あるいは、保護者に対しては、あえて触れないでおこうとしているように見えます。
 「いじめ防止法」では、加害者に対しての別室指導ということも挙げていますが、相変わらず、いじめ被害者を別室に離していますし、加害者への指導からも逃げています。

 私たちは、「いじめ防止法」には、隠蔽や放置した教師や学校にたいしての強制力がないのが問題だと訴えております。
 しかし、今回、「いじめ防止法」がせっかく施行されているのですから、これを有効に使うことをお勧め致します。
 これは、「法律にもとづいて適切に加害者を指導していただきたい」と訴えることができるようになったということです。
 ですから、学校に相談する時には、「いじめ防止法が施行されているのはご存じですよね」と最初に一言話すことを試みてください。

 その時に学校側がどのように言ってきたか、今後の交渉のヒントにしていきたいと思いますので、ぜひ、教えていただければ幸いです。

 ※「施行」は、「せこう」という読みも広く使われているようですが、正しくは「しこう」と読みます。

いじめから子供を守ろう ネットワーク

代表 井澤 一明