2013年11月の代表メッセージ

□■ フリースクールより転校を! ■□
 秋も終わりを迎える11月、暖かい日が続いています。
 子供たちにとっては、文化祭や体育祭など学校行事も多く、充実した毎日を送っていることでしょう。

 今回は、フリースクールについて述べたいと思います。
 いじめの相談を受けていると、フリースクールに通っている子と出会うことがあります。
 フリースクールに通っているのは、ほとんど不登校の子です。
 文科省の基準で、全国に12万人近い不登校の子がいます。
 保健室登校等を含めると、現実には、一クラスに一人から二人不登校の子がいるのが、今の教室の姿です。
 この不登校の70%以上は、いじめが原因だという調査結果を公表している研究者もいます。
 さらには、80%は、いじめが原因だということを述べておられる方もいます。

 結果、フリースクールに通う子が増えています。
 フリースクールに行くと、「出席」扱いになるということがよく知られています。
 フリースクールは不登校の子が増え始めた1980年代の半ば頃に、親たちが中心になって「居場所づくり」のために始まっていったものです。
 その後の働きかけの結果、フリースクールに通う小中学生は1992年から「出席扱い」されるようになりました。
 現在は高校生も出席扱いされるようになって来ています。
 ちなみに、出席扱いにするかどうかは、「校長判断」です。
 従って、フリースクール側と学校が話し合って、出席として扱われるかどうかが決まるわけです。

 多くのフリースクールでは、勉強には力を入れていません。
 遊んだり、ゲームをしたりして過ごすというのが実態です。
 「ここに通ってくる子は、コミュニケーション能力が不足している。
 だから、他の子と触れ合い、人になれさせるのだ」と話してくれた関係者の方もいらっしゃいました。
 もともと、たとえ学校に行かなくても自分の生き方を選ぶための「居場所」を提供しようという考え方から始まっているからなのでしょう。

 ここで問題にしたいのは、「復学率」です。
 フリースクールに通い始めると楽ですし、楽しくもあるようなのですが、学校に復帰できる子がとても少ないのです。
 フリースクールを運営している先生の方針もあるのでしょうが、復学できないのは問題であると思います。
 私たちから見ると学力を重視しているところは、復学率が高いように思います。
 学校に戻っても、勉強についていけるようなフリースクールが増えることを期待したいと思っています。

 実際のいじめの対処においては、フリースクールに通うよりは、「転校」を選択すべきだと私たちは考えています。
 転校によって見違えるように元気になった子供たちを見てきました。
 「フリースクールよりは転校」ということを頭の片隅にでも置いておいていただきたいと思います。

いじめから子供を守ろう ネットワーク

代表 井澤 一明