2014年3月の代表メッセージ

□■ 教師に道徳教育を ■□
 寒さもやや和らいできた三月。
 卒業式のシーズンであり、今の学年も最後の月になりますね。
 四月の入学に向けて、期待とほんの少しの不安の中、あわただしい毎日を送っている方も多いのではないでしょうか。

 昨日(4日)、明石市で中学1年の女子生徒が転落死したというニュースが流れました。
 その10日ほど前の2月24日には、広島の三原市で高校1年の男子が自殺しています。
 この事件では、野球部でのいじめの可能性が疑われています。
 私たちのところにも、「うちの子が校舎から飛び降りてしまった」というご相談も入ってきました。
 たまたま骨折だけですんだとのことですが、三学期のこの時期に死を選ばざるを得ないほど追い込まれている子供たちがいます。
 本当に悔しく残念に思います。

 2月27日の新聞では、警察による昨年のいじめ摘発件数が、小中高で724人と報道されています。
 700人を超すのは27年ぶりとか。
 ちなみに7割以上を中学生が占めているという結果が出ています。

 いじめそのものの件数は大幅に変わったわけではありませんが、今までは警察に行くのはどうかと躊躇していた方も大津の自殺事件以降は、警察に被害届を出すことも多くなったように感じています。
 大津のいじめ自殺事件以降、確かにいじめに対する対応は変わってまいりました。

 何より被害届を受理することに乗り気でなかった警察署が被害届を受け付けるようになったことが摘発件数の増加につながっていると言えます。

 とは言っても、いじめ全体からみたら微々たる件数にしか過ぎません。
 そのような中で、文科省でも小中高校生らの自殺問題について、いじめに限らず、子供の自殺のすべてのケースで、学校側に背景などを調査するよう求める改定指針の骨子をまとめたと2月26日に報道されています。
 やっとここまできたかという感じがいなめなくもないですね。
 ある意味、この改定指針が今までの教育姿勢を示しているようにも見えます。

 現在、安倍内閣の下、教育委員会の改革が進みつつあります。
 組織論やシステム論も必要ですが、教育に携わる教育者の姿勢の問題が根幹にあると考えています。
 教師らしい教師、聖職者と呼ばれるにふさわしいたたずまい、ふるまい、考え方、そして誇りを持った教育者を世に送り出していただきたいものです。

 そのために、私たちはひどい教師に自覚を促すために、「いじめ防止法」には、教師の不作為や隠蔽行為に対する罰則を設けるべきだと主張しております。

 がしかし、それだけでは不十分であることも自覚しています。
 子供たちに対する道徳教育の必要性が取り上げられています。
 当然ではありますが、その前に子供たちを教える教師に対する道徳教育、モラル教育を文科省はすすめるべきです。

いじめから子供を守ろう ネットワーク

代表 井澤 一明