2014年8月の代表メッセージ

□■ いじめと戦おう ■□
 夏、真夏です。
 様々な事件が起きていて世間はざわついておりますが、子供たちは夏休みのど真ん中にいます。
 保護者の皆様には、この夏休みの間に「いじめに戦おう」という話をしてあげていただきたいと思います。

 家族で旅行、花火大会や盆踊り大会と子供たちにとってワクワクする日も多い夏休みです。
 子供たちの中には、夏休みで「いじめ」と縁が切れて、ほっとしている子も多かろうと思います。
 この期間を子供たちの心の元気を取り戻すために使ってあげていただきたいのです。
 楽しい思い出や、「自分はできる子なんだ」、「自分は愛されて、慈しまれている」という実感を味わえる機会を提供してあげられたら、なによりのことだと思います。

 余談ですが、私の生まれた村には、夏休みになると「せがき」という行事がありました。
 「施餓鬼」と書きますが、45年以上も前のことで小学生の私は意味もわからず集められ、村の行事として、「お寺に出かけて怖い話を聞く日」というように認識していたものです。
 お墓が立ち並ぶ殺風景なお寺の本堂で、地獄の話を聞かされるわけで、昼間の肝試し状態でした。
 早く終わることだけを考えて座っていたことが記憶に残っています。

 その頃と今では、子供の心に大きな変化があるように思うのです。
 いじめ相談を受けていると、「心のもろさ」、精神力の低下を感じる場面と出会うことがよくあります。
 あるお母さんはいじめ相談の中で
 「私も子供の頃にいじめられた。今で言う『無視』でクラスでいつも一人でした。
 でも私は、こんな簡単に不登校にはならなかったのに」と話されていました。
 実際、早い子はいじめられてたった3日で不登校になったという相談もあります。

 冒頭に「いじめと戦おう」と伝えて欲しいと述べました。
 「いじめに戦おう」という事は、「いじめに負けるな」ということです。

 1. 「いじめに負けるな」とは、一つには、「いじめをしたくなる心に負けない」ということです。
   人をいじめることによって「楽しい、面白い」と感じる心、あるいは「ストレスを発散したい」という心。
   いじめは自分勝手な心の表れです。
   「ジコチュウ」なのだということを教えてあげることは大人の役割です。
   いじめられる側の子の気持ちが分かる子に育ってほしいものですね。

 2. もう一つは、「いじめられて自分はだめなんだと悲観する心に負けるな」という意味です。
   不登校になったり、リストカットしたり、自殺未遂する子の大半が「自分なんかいない方がいいんだ」と思っています。
   かわいそうですが、やはり「自分勝手」です。
   心配してくれる親の気持ちや友達の気持ちか分からなくなってしまっているのです。
   「あなたは一人じゃない。私が守る」と伝えることが大切だと私たちは思っています。

 「今の子は自分たちと比べて精神力は半分ぐらいなんだ」と思っておいて、ちょうどいいのではないでしょうか。
 親としては、子供の心の力を鍛えるということと、しっかり支えるという両面から子供たちをサポートする必要がある時代です。
 私たちも子供たちの力になりたいと願っています。
 おかしいと思ったら、すぐにご相談下さい。

いじめから子供を守ろう ネットワーク

代表 井澤 一明