2015年1月の代表メッセージ

■□新年を迎えて□■
 明けましておめでとうございます。
 皆様にとりまして飛躍の年となりますよう、心からお祈り申し上げます。

 昨年は、全国の自治体で「いじめ防止条例」の制定が進みましたし、大半の学校においては「いじめ対策基本方針」が作成されました。
 また、いじめに対しての教職員研修もあちこちで開催され、私達も講師としていくつもの学校にお招きいただきました。

 一方、さらにいじめ防止の効果を高めるべく、「いじめを放置したり、加担した教師に対しては、処罰規定を設けることが必要だ」と訴えて、「いじめ防止条例に盛り込んでもらいたい」と各自治体にで陳情活動等をしてまいりました。
 でも、実際には非常に困難な状況であり、実現には至っておりません。
 やはり、このようなことは、言い続け、訴え続けなくては実現することはないでしょう。
 皆様と共に、今年も、教師の処罰規定の条例化を訴え続けてまいりたいと思います。

 このように今、日本全国でいじめ防止への取り組みが進んでいるわけですが、子供たちを見ていると、加害者の子たちに足りないのは、「悪を犯さない意志」だと思います。
 生徒たちは、繰り返し、繰り返し、「いじめは悪いことだ」と教えられています。
 ですから、「悪いことなんだ」と頭では知っています。

 「いじめには、必ず加害者がいる。」
 したがって、「悪い」と知っている子がいじめをしなければ、いじめはあっという間に無くなるはずです。
 しかし、「行動」が伴わない子があちらにもこちらにもいるのです。
 これが、現代のいじめ問題の本質ではないかと思います。

 「楽しいし」「いじめたらスッとする」「泣くから面白い」「自分の思い通りにならない」「あいつはいじめてもかまわない奴なんだ」「先生だってあいつの悪口いうしさ」などなど。
 「悪いんだ」ということよりも「自分の気持ち」が優先してしまっている。
 「いじめは悪いことだけど、自分だけはいじめてもいいんだ」と自分に暗示をかけてさえいるようにも見えるのです。

 この「良い心」と「悪い心」のせめぎ合いに対して「良い心」に軍配を上げさせなくてはなりません。
 「だめなものはだめなんだ」と叱ってあげるのが教師や保護者、そして大人たちの役割です。
 特に、いじめの相談で多いのは、「先生にお願いしても叱ってくれません」という内容です。
 叱ってあげることで、子供たちが「正しい意志」に従って、「正しい行動」をとれるようになるのです。
 そこに、教師が苦労しなくても、手のかからない勉強できる「良いクラス」ができあがるのです。
 「叱れる」先生が求められているのです。

 まだまだ、「いじめ」との戦いは続きますが、皆様と共に「いじめ撲滅」に向けて、今年も精一杯、努力し、歩んでまいる所存です。
 ますますのご指導、ご鞭撻の程お願い申し上げます。

いじめから子供を守ろう ネットワーク

代表 井澤 一明