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2015年2月の代表メッセージ

■□ フィンランドの教師が語る「家で教えて欲しいこと」 □■
 まだまだ寒い日が続きますね。
 ここのところ毎日のように、五反田駅から事務所までの歩道では、この時期ならではの光景が見られます。
 入学試験に向かう学生に、予備校や塾の人たちが列になってパンフレットを配布している姿です。
 子供たちも今学年で学校に通うのは、1ヶ月余りとなりました。

 残りわずかであるにも関わらず、私たちの子供向け掲示板「いじめかきこみ寺」には、
 「しんだら何か、変わりますか」
 「もう学校にいけない」
 「完全に孤立しました」というような書き込みが毎日続いています。

 全体としては、「いじめ防止法」が制定され、いじめも減少方向にむかっているようですが、ひとりひとりを見れば、まだまだ苦しんでいる子がいます。
 こんな子たちの力になりたいと、心から願っています。

 この子たちの多くが、「親に知られたくない」、「先生に相談しても無駄!」と言ってきています。
 これでは、いじめを止めることは難しいというのが率直な感想です。

 その子たちに、「自分でできることはあまりないんだ。だから学校に伝えようよ。私たちが学校に電話するから」と話していますが、なかなか「うん」とは言いません。
 自分で身を守るためにできることとしては、
 1. 悪口に対しては、「いやだ!」、「やめろ!」と明確な意志表示をすること。
 2. 友達に「守ってほしい」と伝えて、いじめのバリアをつくること。
 この2点ぐらいでしょう。

 掲示板には、いじめられている子たちに向かって、「いじめられない自分になればいいんだ」という書き込みをする方もいます。
 確かに服装を変えたりするぐらいはすぐにもできますが、性格が活発になったり、運動ができるようになったり、勉強ができるようになったりなどの性格や能力を変えるには、時間がかかるものです。

 ですから、いじめられている子に「あなたが変わりなさい」と言えば、無理なことを押しつけられたと傷つくだけです。
 アドバイスは大切ですが、無理強いしないようにすることが大切です。

 話を戻しますが、子供たちには、「いじめには加害者がいる」、「加害者にいじめをやめさせないといじめは止まらない」、
 そして、「そのままにしておいていじめが止まることはない」ということを教えてあげる必要があります。
 私たちは「君が自分で身を守ることは難しい」だから、いじめをやめさせる為には、「教師がやめさせる、あるいは叱る」ということが必要だと説得しています。
 そのためには、「教師に話す」、「親に話す」ということを避けて「いじめを止める」ことは難しいことだということを子供たちに理解させることが大事だと、つくづく感じています。

 また、私たちは家庭においても「いじめをしない子供たち」を育てていくことが大事です。
 先日、「フィンランドの教育力」(学研新書 リッカ・パッカラ著)という本を手に取りました。
 著者はフィンランドの教師です。
 この中で、筆者は学力が高くて話題になっているフィンランドにおいても、「子どものしつけを学校の責任と考える親が増えてきた」と嘆いています。
 さらに、子供たちは「これが欲しいと指をさせば、何でも自由に手に入ると思っている」と続き、
 この状況の原因について、「子どもたちの個性と自主性を尊重するあまり、子どもたちにも従うべきルールがあるということが教えられないのです」と述べています。
 筆者は、教師として、せめてこれだけでも家で教えておいて欲しいこととして、
 1.「お願いします」
 2.「ありがとう」
 3.「ごめんなさい」
 この3点が言えることを挙げています。
 フィンランドだけでなく、日本の子供たちにも同じことが言えるのではないでしょうか。
 私たち、大人が子供たちにどう接するかが日本の未来を決めていくことになると思います。

 いじめない子を育て、いじめられている子を守るために、今後も皆様のご支援、ご協力を賜れれば幸甚です。

いじめから子供を守ろう ネットワーク

代表 井澤 一明