2015年11月の代表メッセージ

■□ 学校は治外法権ではない □■
11月です。

さて、9日のことですが、NHKの「クローズアップ現代」で「やらせ」があったとされる問題でNHKから事情聴取した自民党を、放送倫理・番組向上機構(BPO)が「放送の自由と自律に対する政権党による圧力そのものであり、厳しく非難されるべきだ」と批判したことに対し、自民党の谷垣禎一幹事長は「報道の自由があるから一切やらせに対して口をつぐんでいるのが良いとは私は思わない」と反論したという報道がされておりました。
菅義偉官房長官も9日の記者会見で、高市早苗総務相によるNHKへの厳重注意をBPO検証委が「放送法の侵害行為」と批判したことについて、「BPOは放送法を誤解している」と述べたと伝えています。

BPOはNHKに対しても「重大な放送倫理違反があった」と公表してはいますが、「表現の自由、放送の自由があるから、どのような内容でも放送していいのだ。
マスコミには自治があるのだ」と主張しているように見えます。
「悪いことは悪い」と指摘してなにがいけないのでしょうか。
不思議な気がいたします。

実は、学校もよく似ています。
学校の中で「いじめ」や「体罰」が起きても「学問の自由、教育の自由」の名のもとに、警察の介入を拒む傾向が見られます。
警察側もそれを肯定しているようなところがあります。
私たちのところに入ってくる相談でも被害者が警察署に被害届けを提出に行くと、「学校のことは難しいんですよ。学校と話し合ってください」と逃げてしまうような警官に頻繁に出会います。

しかし、法律の中に「学校は治外法権」とは書かれていないのです。
いじめ防止対策推進法でも警察との連携の重要性が盛り込まれています。
犯罪行為は学校の中であっても犯罪です。
善悪を区別する姿勢、「悪いものは悪い」と断言する姿勢を私たち大人が示さなくてはならないと思います。

私たちは「いじめは犯罪」と8年以上も訴え続けております。
現在では、日本全国の学校で多くの先生たちが、子供たちに向かって「いじめは犯罪なんだ。なぐったり、けったりしてはいけない。悪口や無視で人を傷付けたら犯罪なんだ」という話をしています。
しかし、まだまだ不十分です。

今、苦しんでいる子供たちがいます。
その子達に伝えたいのです。
「一人で苦しまなくていい。警察に訴えてもいいんだよ。転校もできるんだ」と。

先生方も子供たちに向かって「いじめられていたら先生に言って欲しい。絶対に私が君たちを守るから。でももし、先生に言えないなら、親でもいいし、警察でもいいから相談して欲しい。転校するのだってかまわない」と語って欲しいと思います。
極端な発言と思われるかもしれませんが、ここまで子供たちの側に立った言葉をかけてあげなければ、子供を救うことはできないと思っています。

10月の後半からいじめや不登校、さらには引きこもりの相談が相次いでいます。
この時期は、新たないじめが始まりやすい時期です。
さらに、受験が目前に迫ってきて、教師にも余裕がなくなってくる時期です。
そのため、いじめが放置されがちになりますので、「おかしいな」と感じたなら早めにご相談ください。

いじめから子供を守ろう ネットワーク

代表 井澤 一明