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2016年3月の代表メッセージ

■□ いじめによる後遺症を残さないために □■

・3月ですね。
入学や卒業など学年末の子供たちにとっては、新しい旅立ちに備える季節がきました。
それは子供たちや保護者の皆さんからのうれしい報告がくる時期でもあります。

昨晩、みたことのない携帯番号から着信がありました。
出てみると、明るく笑いながら
「覚えてますか。今年、短大を卒業します。4月からは保育園で働きます。
成人式にも行って、いじめてた子たちの顔を見に行ってきました。
あいかわらず、わがままな子供のままでしたよ」と二年ぶりの声が聞こえてきました。

この子が中学2年の時に相談を受けてからですので、もう6年になります。
その当時は不登校になって適応指導教室で卒業までをすごさざるをえないところまで追い込まれていたものです。
そんな子が、にこやかにいじめについて話せるようになったことが、ことのほかうれしく感じます。
しかし、全国には、いじめの影響で不登校が続いている子が少なくありません。
この子たちがいじめについて、あっけらかんと話せるような日が来ることを心から願っています。

・話は変わりますが、先日、NHKで、ドラマ 「海底の君へ」(2月20日 土 夜7時30分 http://www4.nhk.or.jp/kaiteino/ )が放映されました。
昨年の4月、「いじめについて話を聞きたい」と、NHKのプロデューサーと脚本家さんが突然訪ねてこられて、二時間にわたって、実際のいじめの事例や解決方法についてお話しさせていただきました。
それから一年近くたって完成したドラマです。

番組紹介を見ると、
『思春期に 「いじめ」 にあった男、前原茂雄。
過去の 「いじめ」 が人生そのものを大きく狂わせて同窓会の爆破という過激な行動に至る。
青年の傷ついた心を救えるのははたして誰なのか―
主人公・前原茂雄を演じるのは藤原竜也さん。手を差し伸べるヒロイン・真帆を成海璃子さん』
とあります。

お礼状はとどきましたが、残念ながら、クレジットにいじめから子供を守ろうネットワークの名称は出ませんでした。
ただ内容については、実際のいじめや、いじめを受けた後、何年も経ってパニック障害で犯罪者になった事例、さらに50歳を過ぎても苦しんでいる方の事例などは、ドラマに生かされていたようです。
また、「意識して忘れていくことの大切さ」や「被害者に自信を取り戻させることで復帰していく」という考え方もヒロインとの関わりの中に生かされていて、私たちの考え方が伝わったように思います。
しかしながら、基本は「被害者の心を救う」ということがメインテーマになっており、解決方法についてまでは言及できなかったようです。

・さらに、今年2月、いじめをテーマにした映画「十字架」(http://www.jyujika.jp/) が公開されました。
小出恵介さん、木村文乃さんらが出演する映画で、ポスターには「14歳で、僕たちは彼の思いを背負った」とあります。
吉川英治文学賞を受賞した重松清氏の同名小説を原作に、いじめで自殺した少年の両親や同級生たちの20年間にわたる苦悩や葛藤を描いた人間ドラマとなっています。
こちらは「傍観者」がテーマになっており、「いじめを見ていた子の後悔、罪悪感」が中心に描かれています。

・この「十字架」に私たちは関わっていませんが、3月に公開予定の「天使にアイムファイン」(http://www.newstar-pro.com/tenshi/) については協力させていただきました。
この映画はオムニバス的にいくつかのドラマが織り込まれている映画となっています。
本作の監督の園田さんが、「いじめの実情についてお伺いしたい」と昨年の3月に事務所を訪ねて来られました。
この時も三時間にわたっていじめについての話をさせていただきました。
その後、助監督さんも来られ、映像化するにあたっての資料提供の依頼を受けると共に、様々に意見を交換しましたし、後々には脚本についての意見を求められるなど、深く関わらせていただきました。

時間の都合でカットせざるを得なかった部分もあるようですが、この映画では、いじめの事例だけでなく、私たちが提唱している「いじめ解決方法」(http://mamoro.org/solution)にも言及してくださっています。
映画を楽しみながら「いじめ解決方法」を一人でも多くの方に知っていただければと存じます。

・ドラマや映画も参考になりますが、今、苦しんでいる子供たちの力になりたいのです。
何と言っても早期発見・早期解決です。
それが子供たちの心を守ります。
不安に感じたり、おかしいと思ったらご相談ください。
力になりたいと心から願っています。

いじめから子供を守ろう ネットワーク

代表 井澤 一明