2014年7月の代表メッセージ

□■ 不登校ゼロの学校があった! ■□
 沖縄では梅雨があけたようですが、関東はもう少し時間がかかりそうです。

 6月は、中学校、高校、小学校にいってまいりました。
 中学、高校では生徒向けに、小学校では保護者向けの講演をさせていただきました。
 今回、お邪魔した小学校は、なんと不登校児童ゼロ!
 不登校児童がいない学校にお邪魔したのは初めてです。
 こんな学校もあるんですね。
 不思議なことは、校長先生と話しても、特別な対応をしている様子が全くありません。
 普通に授業して、普通に生徒と接している姿しか会話に出てこないのです。

 ただひとつ、大きな特徴として、教師と子供たちの接触面積が大きい点があげられます。
 子供たちが帰った後も職員室で、子供たちの話をしている。
 20年前、30年前の日本のどこの職員室でも見られた原風景、なつかしい感じがしました。
 本当は、特別なことをしなくても、落ち着いた学校をつくることは可能なのですね。

 先日、保護者の方に付き添って交渉に行った中学校ではこんなことが起きていました。
 被害者の中学生に「掃除の時間とかある? 掃除していない子とかいるの?」と聞くと、
 「2、3人は掃除してる。トイレは先生がしてる」
 「じゃあ、授業とかみんな聞いてる?」
 「よく先生を泣かしたりするかな。あと消しゴムでキャッチボールしてる子も多い」
 「でも英語の授業はちゃんとしてる」
 「なぜ?」
 「怖い先生だからかな。静かだよ」

 この2つの学校。いじめ問題の源がここにあるように思います。
 不登校生徒もいない、いじめもない、学力も伸びているという、先に述べた小学校のような学校ばかりならば、「いじめ防止対策推進法」などなくてもいいのです。
 ただ残念なことに、現実には、このような学校が少なすぎるのです。

 その責任は、大人にあります。
 子供たちに接する大人の姿勢によって、あっという間に子供たちが変わってしまいます。
 教師としての誇り、保護者としての責任感、古くさく聞こえる方もいるかもしれません。
 でも、それこそが素晴らしい子供たちを育てる鍵です。
 私たちは、この「いじめ撲滅運動」を通して、素晴らしい学校を日本全国に増やしていきたいのです。

いじめから子供を守ろう ネットワーク

代表 井澤 一明