2014年10月の代表メッセージ

□■ 警察庁統計発表によせて ■□
 10月に入りました。衣替えですね。

 私たちは、いじめ問題の講演、講師の派遣を行っています。
 全国から講演依頼をいただきますが、その際に「ご希望のテーマなどありますか。どのような点を重点的に話しましょうか」と尋ねて、内容を組み立てています。

 先日のPTAでの講演では、
 ・いじめられるタイプといじめっ子タイプ。
 ・いじめがあった場合の対応方法。
 ・子供同士で解決できる場合はどのような場合なのか。
 ・親として子供との向き合い方のポイント。
 ・親の言葉が、子供にとっていじめになっていないかどうかの見極め方。
 ・LINEのトラブルにどのように入っていけばいいのか。
 と多数のポイントを提示いただき、これに沿って講演いたしました。

 そのような講演依頼で近頃、多いのが「LINE問題」を講演の中で触れて欲しいというものです。
 9月18日に警察庁から公表された「平成26年上半期の出会い系サイト及びコミュニティサイトに起因する事犯の現状と対策について」では、出会い系サイトでの被害は減少傾向にあるが、コミュニティサイトによる被害は増加傾向を示しています。
 「LINE」はこのコミュニティサイトの中に含まれております。
 特にID交換掲示板を介した被害が増えています。
 特筆すべきは、91.7%の被害者が女性だということです。
 しかも低年齢化の傾向が顕著に出ています。

 別の会合で出会った校長先生も「うちの高校もスマホはもう100%です。小さなものですがトラブルがありますね」
 中学の校長先生も「LINE、先日もありましたよ。呼んで話して終わりましたけれど」と先生方といじめの話しをしていると、必ずと言っていいほど、LINEの問題が話題にのぼります。

 子供たちの単なるコミュニケーションだけでなく、学校の部活の連絡もLINE、塾からの連絡もLINE、子供会やPTAの連絡までLINEというところも多くなりました。
 仕事レベルの連絡にもLINEが使われるような時代です。

 大切なことは、「自分の身は自分で守る」という考え方の徹底です。

 LINEは、とても便利であり、ちゃんと使えばより効果もあげられる一面はあります。
 しかし、残念ながら間違った使い方や、簡単に返信することによる「リスク」が伴います。

 子供たちの手元にあるスマホを親が、一から十まで管理することは現実的に不可能です。
 従って、子供たち一人一人の自覚を高め、子供自身によるリスクマネジメントを行わせなければなりません。

 「自分はスマホを持っていないから分からない」という言い訳は通用しなくなりつつあります。
 子供にスマホを持たせるのならば、保護者もスマホを持って危機管理をすべき時代です。
 子供のスマホの中も覗かないといけないのです。
 子供たちは「プライバシーの侵害だ」とクレームを上げると思いますが、「お金を出しているのは親なのだ」という毅然とした姿勢を忘れないでください。

 長文になりましたが、子供を守るためには親としての姿勢が何よりも重要なのだとご理解いただければ幸いです。

いじめから子供を守ろう ネットワーク

代表 井澤 一明