7月の代表メッセージ
☆2020年7月4日☆
[いじめから子供を守ろう メールマガジン]
◇ 代表メッセージ ◇
■□ 大人の優しい眼差し □■
7月、七夕の季節です。
仙台の七夕は8月に入ってからになっているのは有名ですね。
私の田舎では、七夕は何週間かの遅れで行われていました。
町では七夕は7月7日でしたが、そこから山に向かって少しずつずれて七夕がめぐって
きます。
となりの集落で七夕飾りが軒に吊るされるのを見て、来週はうちのところだと思いな
がら眺めていたことを思い出します。
まあ、今ではそんなことはないのでしょうが。
七夕と聞いてなんとく気分が上がるのですが、まもなく暑い夏がやってきます。
しかし、残念ですが、新型コロナウィルスの影響を受けて、今年の夏休みは短くなっ
てしまいました。
先月のメルマガでも述べたのですが、そろそろいじめの相談が増えてまいりました。
辛いニュースも入ってきています。
6月22日に北海道登別市の中1男子が自殺しました。
母親は「いじめによるものだ」と訴えています。
当日の午前8時ごろいつも通り家を出て学校に向かったはずでしたが、
約30分後敷地内で倒れているところを発見されたとのことです。
発見されたスマホにサッカー部員から筋トレを強要されるやりとりなどが見つかって
います。
母親が、登別市教育委員会にいじめがあったかどうかの調査を依頼し、
30日、市教委は記者会見を開き、アンケート調査の結果、
「いじめ」をうかがわせる記述が複数あったと発表しました。
アンケートによると、いじめの内容は、身体的な特徴、運動能力へのからかい、SNS
へのからかいなどがあったというものです。
また、亡くなる前の6月18日には保健室で養護教諭に「部活で疲れている」という趣
旨の話をし、
「トレーニングで疲れているのか」という問いに「人間関係」と答えたということも
公表されました。
教室に戻り担任も「大丈夫か」と声をかけても「大丈夫」と答えたため、通常の授業
を続けたということです。
入学して間もないのに部活でいじめられる。
中学で部活を始める子は多いですし、当然初めて触れる内容も多かろうと思います。
したがって体もできていませんし、「下手」なのは当たり前です。
子どもたちの中に「寛容さ」というものが失われつつあるように思います。
そして、それは指導する大人、教師の心のなかにもあるはずです。
指導する、とは、成長を暖かく見守る心なくしてできるものではありません。
子どもたちの心に、お互いの成長を信じ、見守ることを醸成していくような指導をお
願いしたいと思います。
子どもたちは変わっていくのです。成長していくのです。
信じて上げてほしいのです。
子どもたちは変わっていけるということを述べましたが、
子どもたちの更生、成長を見守る取り組みが、
私たちもお世話になっている義家弘介法務副大臣を中心に始まろうとしています。
「少年院で高校卒業 後押し 法務省、通信制高とも連携」というニュースで流れて
いました。
法務省が、非行で少年院に入った少年たちの高校卒業を後押しするため、
文部科学省との検討会を立ち上げたというもののです。
日経新聞によると
2018年の少年院への新規収容者のうち、高校に通っていない少年ら(中退者を含む)
が66.2%を占め、
高卒は5.5%と少なく、他は中学・高校の在籍者。
従来、高校卒業程度認定試験(旧大検)の指導に力を入れてきたが、大学に進学する
子は少なく、
大学を卒業しなければ、最終学歴は「中卒」のままとなる。
現在、通信制の学習を基本とし、リポートや
登校日に面接指導する「スクーリング」などで単位を認定することが検討されてお
り、
広域通信制高校は全国各地に拠点を持つ学校も多く、少年院を出ても継続しやすいメ
リットがあるとのこと。
私たち、大人が子どもたちに向ける眼差し、思いこそ、教育改革の出発点なんだと思
います。
いじめのない学校を当たり前の学校にしていきたいものです。
夏休みに向かいつつありますが、このタイミングでいじめは増えていくことが予想さ
れます。
ここで食い止めることができれば、9月1日に子供の自殺が多くなるという「9月問
題」を
押し止めることができると考えております。
早期発見が早期解決につながります。
お子さんを見ていて、不安になったり、なにか気になることがありましたら、
ご遠慮無くご相談いただければと存じます。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明