6月の代表メッセージ
☆2021年6月12日☆
[いじめから子供を守ろう メールマガジン]
◇ 代表メッセージ ◇
◆◇ 保護者もGIGAスクール対応を ◇◆
6月にはいりました。
沖縄は梅雨明けが早まりそうですが、こちらでもようやく梅雨入りしました。
緊急事態宣言がでている都道府県もかなりある状況の中で、私たちの所に入ってくるいじめの相談は例年よりは少なく感じています。
先日、東京の小学校で、高学年の子供たちに向けて、いじめについて話す機会をいただきました。
新型コロナの対策のため、大きな体育館の中をいっぱいに使って、密にならないように座っている子供たちの姿。
学校に通えていることが本当に素晴らしいことなんだと感じます。
この学校では、校長先生自らが、しっかりといじめや不登校の子を名前ベースで把握していましたし、人数も全国平均をはるかに下回っていました。
その校長先生が心配していたのは、中学生になった後のことでした。
「幸いにして、この学校ではいじめも少ないのですし、まじめで先生の言うことをよく聞く子たちが育っているのですが、中学では人数も増えますし、他の小学校からも集まってきます。
スマホデビューする子も多いので、いじめやトラブルも起きると思うんですよ。
そこを乗り越えられるかと心配になってしまいます」
その心配もわかります。
昨今のニュースでは、中学生がスマホを介してトラブルに見舞われているケースが跡をたちません。小学生、中学生は、まだまだ素直ですので、だまされやすいとも言えます。
GIGAスクールについてこのようなニュースがありました。
名古屋市で、小中学生に配布したタブレットを一時使用中止にするという内容です。
東海テレビによりますと、使用を中止する理由は、「操作履歴が記録され、個人情報保護の問題がある」というものだそうです。
市議会の議員から「児童や生徒に目的を明らかにしないまま操作履歴が記録されるため、市の個人情報保護条例に違反する」との指摘を受けたためというのです。
ただ、本来、授業に用いるタブレットであり、個人の所有ではありませんので、個人情報を理由にするだけの根拠にはならないと思います。
間違った操作や、授業を理解しているかどうかを把握するためには操作記録は大きな役割を担うことになります。
また、授業という本来の目的を忘れて、YouTube や TicTok にはまってしまったり、LINE や Twitter などのコミュニケーションツールで問題が起きたりするなどの、危ない使い方になっていないかということも操作履歴から確認することもできるでしょう。
親側から見れば、LINE や Twitter の内容までもとっておいてもらいたいくらいです。
学校ではノートや生活の記録など教師に提出して、ハンコやコメントが添えられて、手元に戻ってきます。連絡帳にコメントを書くことは先生としての大切な仕事です。
このノートや連絡帳がタブレットになっただけのことであり、「個人情報」などと目くじらを立てるほどのことではないように思うのですが。
世の中は、本当に良くなっているのか、進んでいるのか、やや疑問に思います。
「転ばぬ先の杖」とも言いますし、まだまだ未熟な子供たちを守るための手段の一つとして必要なことだと思います。
タブレットの貸与をするにあたり、同意書や注意書きなどの記述もあることだと思いますので、その中に文章を追加しておけばよいだけだと思うのです。
子供たちを守る方向で、しっかりと検討し、早急に対策をしてほしいものです。
いずれにしても一人一台端末が配布されるGIGAスクールは、始まってからまだ2ヶ月が過ぎたばかり。
考えてもみなかった問題点や、長所もこれから出てくると考えておくべきだと思います。
子供たちの未来に本当に役に立つのか、あるいは子供たちの成長に貢献できるシステムにするにはどうすれば良いのか、全国の先生方の実践事例がたまってきてから、真価が問われることとなると思います。
保護者としては、子供たちが何をやっているのかを理解したいと思う方は多いだろうと思います。
ですから、欲張りすぎかもしれませんが、できればタブレットの使い方やアプリについても、アドバイスできるような知識を持っていただけたらと思います。
先ほど、いじめ相談が例年より少ないと述べました。
しかし、相談がゼロというわけでも、いじめがなくなったということでもありません。
例年ですと、いじめが多くなる季節ですので、子供たちの言葉や行動を優しく見守っていただきたいと思います。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明