7月の代表メッセージ
☆2022年7月15日☆
[いじめから子供を守ろう メールマガジン]
◇ 代表メッセージ ◇
■□ 夏休みを前にして □■
6月中に梅雨が開けてしまうとは思ってもいませんでした。
今年は、猛暑が長く続きそうだと思っていたら
7月に入ったとたん、戻り梅雨という言葉も出てきてしまいました。
不安定な天気ですね。
さて学校は、まもなく夏休みに入ろうとしています。
しかし保護者としては不安になるようなニュースが入ってきています。
CBCテレビのニュースによりますと、
7月5日、名古屋市の小学校で、男子児童が友達を負ぶって遊んでいたところ、
転倒し、顔面を骨折する大けがをしました。ですが、学校が救急車を手配しなかったというのです。
男子児童は、保健室に行き、目がぼやけて焦点があわず、嘔吐もしたにもかかわらずです。
結局、学校に駆け付けた母親が救急車を呼びました。
その後、児童は、目に約3センチのプレートを2枚重ねて入れる緊急手術を受けるほどの
おおきな怪我を負っていたことが判明したのです。
児童によると、
20代の女性養護教諭から「目をぶつけたのになんで吐くのか」などと言われた、ということですし、
保健室には校長も立ち会っていたと名古屋市教育委員会は明らかにしています。
昔と違って、最近の学校では、小さな擦り傷でも保護者に連絡してくださるようになっています。
そのような中でのこの学校の対応にはあきれるしかありません。
頭、顔面を強く打った後に「嘔吐する」ということの重大性に、
養護教諭を含めた複数の教員が、気付けなかったとは残念でしかたありません。
外傷が少なかったためと話していたようですが、言い訳しているだけとしか受け取れません。
もしかしたら、親に任せて、責任を逃れたいという気持ちが働いていたのかもしれませんが。
まだまだ新型コロナは収束していませんし、その中でのこの判断能力の低さには危機感しか感じません。
また、共同通信やダイヤモンド・オンラインによりますと、
2022年3月、大阪府泉南市で中1の男子生徒が自殺してしまいましたが、
市教育委員会の調査が事実上ストップしているとのことです。
7月12日の共同通信の記事では、
「いじめの有無や教師の対応の検証を求める遺族と市教委の信頼関係が構築されず、
有識者による第三者機関が改善を促す報告書を作成したが、市長は受け取りを拒否。
死亡から4カ月近くたっても具体的な対応が取られずに放置される異例の事態になっている。」とあります。
また、ダイヤモンド・オンラインによりますと、
「母親の手記には、少年が同級生から「少年院帰り」などとからかわれ、担任に助けを求めたことや、
教員が「誰が言ったか分かるまで学校側は指導しない」といった趣旨の発言をしたことなどが記されている。
この問題の真相を究明すべく、泉南市長の附属機関「泉南市子どもの権利条例委員会」が検証を行った。
しかし検証後、泉南市の山本優真市長は、委員会からの報告書の受け取りを拒否した。
31歳の山本市長は”全国最年少市長”として注目を集める人物だが、なぜ不可解な対応を取ったのか。」とあります。
いじめ事件では、旭川市の凍死事件のように、
教育委員会が学校と共に隠蔽を図るような事例が起きることがあります。
その場合に、政治主導で市長などが第三者委員会を設置し、
問題の解決、真相の糾明にあたることがあります。
しかし、調査委員会の報告を市長自ら拒否するような事案は初めてのことではないかと思います。
内容に問題があると言うのなら、市長が主導して糾明すべきです。
何も言わずに拒否するだけでは、納得する人などいません。
ご遺族に泣き寝入りしろと言わんばかりの対応であり、誠実さが伺えません。
多くの人の信任を受けて市長になられたのでしょうから、
信頼できる市長としての行動を期待したいものです。
子どもたちを安心して預けられる学校であっていただきたいのです。
学校は、毎日毎日、多くの尊い生命を預かっているということを自覚し、
いじめ問題のみならず、子どもたちの学校生活に対して責任を果たしていただきたいものです。
さあ、夏休みが始まります。
GIGAスクール構想による一人一端末が浸透してきている現在、
SNSがより身近になりました。夏休み中でもSNSを通して子どもたちは繋がっています。
子どもたちの間には、休みに関係なく様々な情報が飛び交うことになります。
保護者の皆様は、子どもたちの日頃の生活だけでなく、
SNSを介したネット生活にも目を配らなくてはいけなくなってしまいました。
小さなトラブルから大きな事件になってしまうこともあります。
おやっと感じましたら、ご遠慮なくご相談ください
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明