2022年8月の代表メッセージ

8月の代表メッセージ


☆2022年8月11日☆
[いじめから子供を守ろう メールマガジン]

◇ 代表メッセージ ◇
■□ 2022年度全国学力テストの結果公表 □■

落ち着かない、不安定な8月です。
熱波が到来し大変な日が続いたと思うまもなく、こんどは大雨による大きな被害が起きてしまいました。
一方、オミクロン株も連日猛威を振るってはいますが、
旅行制限もなく、地域によっては海の家が開き、花火大会が開催されたりと
夏の風物詩が3年ぶりに戻ってきています。
子供たちにとっても良い体験ができる夏になることを願っています。

7月28日、文科省は2022年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表しました。
4月に小学6年と中学3年を対象として、全国約191万人の国語、数学(算数)、理科の3教科のテスト結果です。
正答率は、それぞれ
■小学校の平均正答数(平均正答率)
国語:9.2/14問 (65.8%)
算数:10.1/16問 (63.3%)
理科:10.8/17問 (63.4%)
■中学校の平均正答数(平均正答)
国語:9.7/14問 (69.3%)
数学:7.3/14問 (52.0%)
理科:10.4/21問 (49.7%)
となっております。

小6の都道府県別の正答率は、
国語では、秋田71%、石川70%、東京・福井69%
算数が、石川69%、東京・福井67%、富山・秋田・高知66%
理科は、秋田71%、石川70%、福井69%
中3においては、
国語が、石川・秋田73%、福井72%、徳島71%
数学は、石川58%、福井56%、富山・徳島・香川55%
理科は、石川55%、福井53%、富山・秋田・群馬・岐阜・静岡52%
という数字が出ています。

全体としては、秋田、石川、福井が各教科で上位を、沖縄、大阪などが低かったといえますが、
各都道府県の平均正答率との差はいずれも10ポイント以内に収まったため、
文科省としては「大きな差はない」と見ているとのことです。

中学は新しい学習指導要領に基づいた初めての出題でした。
理科は4年ぶりの調査となりましたが、
前述のように、中学の理科の平均正答率が大幅に下がり5割を切ってしまいました。
理科においては、新型コロナウィルスの影響が大きく
「週1回以上」実験や観察を行った小中学校の割合が大きく減少したとのこと。
読売新聞の記事では、
青森県内の公立中は化学分野で9割の実験ができなかった。
担当教諭(37)は「理科の定期テストでは中間層の得点が例年よりも低かった。
生徒が体験できなかったことも影響しているだろう」
とあります。
この理科について文科省は、
観察や実験を重視する「探究」の問題に子供たちが対応できなかったためとの見解を公表しています。

また、新型コロナウィルスの影響により、
GIGAスクール構想によるICT教育が浸透してきている状況も明らかになりました。
調査では、前年度の臨時休校期間が10日以上だった学校がICT教育を実施したとする割合は、
前回の調査では小学校6.3%、中学校が9.6%だったのに比べて、
今回は、小学校86.1%、中学校83.4%と大幅に増加しています。
また、端末の使用頻度に関しても、「週1回以上」の使用は小6、中3とも8割を超えており、
ICT教育が一年大幅に進んだことが読み取れます。

今回、沖縄県は残念な結果になってしまいました。
沖縄ではコロナの影響が他の自治体に比べても授業日数が少なくなったことの影響が大きいようです。
ただ、前回調査と比べて低下したように見えますが、小学校は全国平均並と言えます。
沖縄県の小学校の学力向上が顕著になった2014年から、すでに8年経ちました。
気になるのは小学校の成績が大幅に向上したにもかかわらず、
中学の学力が全国に届いていないようにみえる点です。
小学校の学力が中学に引き継がれていないのは大きな損失です。
ここまで大きな改革が成功したのですから、中学においても可能ではないでしょうか。

学力は社会が安定するための基礎部分です。
そのためにも、安心して学べる環境は大切です。
いじめが頻繁に起きるような学校は子供たちの成長に良いわけがありません。
先生方にだけ頼るのではなく、私たち周囲にいる人間も常に気にかけておくことが必要なのだと考えます。

夏休みが終わると、子供たちの自殺が一番多い日「9月1日」を迎えることになります。
これからの不安を訴える子や、挙動があやしくなるような様子をみつけたら、
子供たちから丁寧に話を聞いてあげてください。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明

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