12月の代表メッセージ
☆2024年12月20日☆
[いじめから子供を守ろう メールマガジン]
◇ 代表メッセージ ◇
■□ 「いじめ防止対策推進法」風化 □■
クリスマスの季節ですね。
すでに冬休みに入った生徒たちも多いのではないかと思います。
クリスマスのイベントの後には、お正月がやってきます。
現在では満年齢が当たり前になっていますが、
私の子供の頃の田舎では、お正月がやってくると一つ年齢があがるという「数え年」が一般的でした。
そんなことを思い出しています。
さて、先日、保護者の皆様に向けて、いじめのお話をさせていただく機会をいただきました。
やや長めのお話をさせていただいたのですが、その中で、
私たち「いじめから子供を守ろうネットワーク」が発足以来ずっと提唱してる
いじめ解決のための方法として、
「いじめの事実、内容を文書化して学校に相談に行こう」ということも紹介いたしました。
今回は現役の教員をしていらっしゃる先生も何人か参加してくださっていました。
講演の後、一人の先生から
「あれはショックでした。文書で学校に持って行くというのは。
教員から見たら、もう逃げられないということですから。
実際、担任が保護者や生徒から話を聞いて、
校長にあがる頃には内容が変わっていることもあるんですよ。
伝言ゲームみたいになってしまって。
ですから、文書にするというは保護者にとっては良い方法ですね。
教師は逃げられませんが、教員も実態を把握するには良いですね。」
と褒めていただきました。
また、話の中で、「いじめ防止対策推進法」(以下「いじめ防止法」)についても触れました。
参加された元校長先生がこんなことをおっしゃっていました。
「今、いじめ防止法が徐々に形だけになってきつつあるように感じてます。
法律ができた当時、ちょうど校長をしていたので、
その時には、いじめ防止基本方針を作成しなくてはならなくなって
頭を悩ませながら、何日もかけて、自分でつくったんです。
私は、今も学校で教えているんですが、
現在は、いじめ防止法を気にしている先生たちは少ないように感じているんですよ」
10月31日に公表された「いじめ認知件数」は前年より5万件増えて、73万件と増え続けてはいますが、
文科省の見解の通り、「いじめの認知が積極的に進んだ」だけであり、
実数は、それほど大きな変化が起きているとは思えません。
いじめ防止法の制定以降、文科省のスタンスが
「いじめゼロの学校が良い学校」という考え方から、
「いじめ認知件数の多いところは、いじめに積極的に取り組んでいる」という逆方向にシフトした結果、
いじめを隠蔽する学校は大幅に減りましたし、
先生方も積極的にいじめ解決に奮闘しているように見えています。
そのように、「いじめ防止法」が大きな役割を果たしたということは、
多くの方も認めているはずです。
ですから、より一層、風化させてはならないと思います。
付け加えるとすれば、
ただ残念なことですが、この法律は不完全だと言うことです。
なぜならば、「いじめを放置、加担、隠蔽した教師に対する懲戒規定」が盛り込まれていないからです。
この法律に「教師の懲戒規定」を盛り込む必要があると、私たちは考えています。
是非とも、多くの方、特に政治に携わっている皆様のご支援、ご協力をいただいて、
実現したいものだと考えています。
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
何と言っても、いじめを一日で解決できる学校が一番です。
いじめでなく、単なる行き違いで終わってしまえば、それに越したことはありません。
いじめは「早期発見・早期解決」です。
先生も、保護者も、そして私たち大人たちが協力して
子供たちを、守っていきたいと思っています。
何か、不安に感じたり、おやっと思うことがありましたら、どうぞご相談いただきたいと思います。
今年も、まもなく終わり、新しい年を迎えます。
どうぞ、良いお年をお迎え下さい。
来年が素晴らしい年となりますように。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明