2018年05月の代表メッセージ

5月のメッセージ

☆2018年5月3日☆
[いじめから子供を守ろう メールマガジン]

◇ 代表メッセージ ◇
■□ 心に寄り添う □■

昨日2日は、ゴールデンウィークでも子供たちにとっては平日、通常授業です。
千葉県の中学校に行ってまいりました。
学校まで、googleでは駅から1.6km弱と出てきましたし、
バスも朝と夕にしか停車しないとのことなので歩いてみました。
しかし、歩き始めたのはいいのですが、なかなか到着しないのです。
結局、校門までは30分近くかかり、しかも、かなり坂をあがった見晴らしの良い立地、
「ええっ、歩いてきたんですか」とかなり驚かれてしまいました。
小高い丘の上に建てられた学校で開校して30年も経ったとは思えないほどのきれいな中学校でした。
子供たちはすれ違えば「こんにちはぁ」と明るいあいさつをしてくれる子たちでした。

講演の準備中に、マイクから音がでないというハプニングが起きました。
担当の先生が「音響がわかる人間、つれてきます」と体育館を出てゆきました。
たいていの学校では、音響施設の調子が悪いと、理科の先生とか機械が得意な先生が現れるものですが、
なんと登場してきたのは女子生徒3人。
体育館の入口に現れた時には、時間より早く集合した生徒だと思ったのですが
この子たちが機械を直しにきたのです。訊けば放送委員会だと言います。
この中学校が行っている、自主性、そして子供たちに自信をつけさせようという取組みの現れなのでしょう。
学校づくりの姿勢を垣間見た一瞬でした。
後で伺うと、この学校であっても、数年前は「荒れた学校」の一つだったとのことですが、
現在の様子からはとても想像できません。

子供たちをどのような人間に育てていくのか、それには周囲にどんな大人がいるかに大きく関係しています。
元気な子もいれば、静かな子もいます。
さらには不登校の子もいますし、障害を持ちながら学校に通っている子もいます。
一方で、実の両親が自分の子を虐待したり、死亡させるなどの耳にしたくないような事件が跡を絶ちません。
まずは教師、保護者、大人である私たち自身が「子供たちをどのように見ていくのか」、
あるいは「どのように見るべきなのか」ということへの意識を高めていく必要があるのではないかと思います。

5月5日(土・祝)に公開されるドキュメンタリー映画があります。
この映画『心に寄り添う。』では障害を持ちながら懸命に生きている子や、
不登校から脱出しようとしている子たちがスクリーンを通して
「何か」を訴えてきます。
その子たちと真摯に向き合おうとする学生たちの姿。
遙か昔に味わったなんとなく、気恥ずかしさを思い出すような映画。
私もお声がけいただいて、学生さんからのインタビューを受けました。
お心遣いいただいて、スクリーンにも登場させていただきました。
この映画を通して、私たちは「子供たちを見守る目」、
「子供たちに寄り添う自分」を見つけることができるのではないかと思います。
ぜひ、劇場に足を運んでいただけたら幸いです。

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映画『心に寄り添う。』
監督:宇井 孝司、松本 弘司
出演:希島 凛 小林 裕美 藤本 明徳 三浦 義晃 他 子供たち
製作:ARI Production
公開:5月5日(土)~5月11日(金)
ヒューマントラストシネマ渋谷
シネ・リーブル梅田

映画「心に寄り添う。」公式サイト
http://aripro.co.jp/products/kokoro-yorisou/
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ゴールデンウィークも終わりに近づいてしまいました。
例年のいじめ相談から言えば、このゴールデンウィークを過ぎたあたりから
いじめが多くなってきます。
いじめは芽の内に摘み取ることが効果的です。
早めのご相談をお待ちしております。

一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明


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