11月の代表メッセージ
☆2019年11月9日☆
[いじめから子供を守ろう メールマガジン]
◇ 代表メッセージ ◇
■□ 教育者は「いさぎよい」姿勢を □■
近畿では木枯らし1号が吹いたとのことですし、北海道からは雪の便りも届いています。
東京近郊では、朝の気温が10度を下回り、季節は一日一日、冬へと向かっていっています。
2017年4月に長崎市の私立高2年の男子生徒が自殺し、
第三者委員会は2018年11月に「いじめが自殺の要因」としていました。
しかし、学校側はこれを不服として調査結果の公表を拒否しておりました。
この調査結果を受け取ってから一年後の今月に、学校が公表に応じたとのことです。
しかし、学校側は「自死との因果関係に論理的飛躍がある」などとする見解を表明しています。
( http://www.kaisei-ngs.ed.jp/wp-content/uploads/2019/11/20191107_report.pdf )
しかも、学校はHPに掲載した文書の中で、
「第三者委員会に対し根拠資料の開示や説明を求めたが、拒否され続けてきた」などとして、
第三者委のメンバーに対し、近く長崎簡裁に調停を申し立てる予定だと報道されています。
この事件では、両親が記者会見し、自殺の数日後に学校側が
「突然死したことにした方が良いかもしれない」
「転校したことにもできる」などと提案をしていた事実が明らかになっています。
隠蔽工作を行い、さらに「いじめが自殺の要因」とされると調査結果を公表せず、
いまだに認めようとしないという学校の姿勢は非難されても当然だと思います。
もしも第三者委員会の結論が間違っていると主張したいのであれば、
なぜ、再調査委員会を組織しなかったのか、疑問が残ります。
あるいは、調査結果を受け取って、すぐさま裁判で是非を問わなかったのでしょうか。
やれることはあったはずです。
一年も放置しておいて「なにをいまさら」不服を申し立てるのでしょうか。
対応がおかしいことを学校自らが認めているようにしか見えません。
この学校は、ミッションスクールであり、
教育理念の一つとして
『「己のごとく人を愛せよ」とのキリスト教の愛の精神により、
人間の尊さを学び、思いやる心を大切にする教育を行います。』と掲げています。
宗教の学校であり、教育者である『聖職者』であるならば、
天に召されたときに、イエス・キリストの目の前にて、
「私は聖職者として立派な人生を生きました」と言えるようでなくてはならないと思います。
教育者は保身をはかるのではなく子供たちに恥じない「いさぎよい」姿勢を示してほしいものです。
私たちもひとりひとりの子どもたちの抱えている悩みを一緒に考えられる大人でありたいと思います。
先日、「NPO法人BONDプロジェクト」さんからメールをいただきました。
NPO法人BONDプロジェクトさんは、
「10代20代の生きづらさを抱える女の子のための女性による支援」をテーマに、
居場所を失った女の子の自己肯定感向上や自立に向けた支援を行っている団体です。
ちなみに代表の橘ジュンさんは、渋谷の街でさまよう女の子の声を聞き続けていることで有名です。
そのBONDさんが、
東京都自殺対策事業として
「東京都在住の小学生・中学生の女の子専用LINE」
( LINE ID: @bondproject )を
期間限定で開設するそうです。
相談できる日は、
2019年11/10・11/24・12/8・12/29
2020年1/12・1/29・2/9・2/23
相談受付時間 午後4 時~午後7 時
あくまでも、東京都に住んでいる、小・中学生の女の子専用とのことです。
その他の電話、メールでのご相談は、NPO法人BONDプロジェクト
( https://bondproject.jp/ )をご参照ください。
教師間の「いじめ」のニュースも相次いでいます。
大人ですから明確に暴行事件、傷害事件として報道してほしいものです。
さて、年末に向けて、子どもたちにとっては大切な時期です。
なにか気にかかることがあればご相談いただけたらうれしく思います。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明