2026年7月の代表メッセージ

7月の代表メッセージ


☆2026年7月22日☆
[いじめから子供を守ろう メールマガジン]

◇ 代表メッセージ ◇
■□ 裁判官は人の心に配慮すべき □■

今年の夏はかなり暑くなりそうです。
梅雨明けも例年より早くなり、夏休みらしい夏休みになりました。
夏の子供たちは、輝いてみえるものですが、
暑すぎるとぐったりすることもありますので、気を付けたいものです。

7月16日、2022年に奈良市で起きた「いじめ花丸事件」の民事裁判で、
被害者側の訴えが棄却されました。
この事件は、奈良市の市立小3女子が同級生男子からのいじめを受け、
小4になって「わたしは死ねばいいのに」とノートに書いて担任に提出しました。
そのノートに担任が「花丸」をつけて
「You can do it!」と書いて返したということが話題になった事件です。
被害者は現在も適応障害で苦しんでいるとのことです。

TBSニュースによると、
——
2022年2月、奈良市立の小学校で、
当時3年の女子児童が同級生から足を蹴られ全治1週間のけがをしました。
訴状によりますと当時の担任は、証言の食い違いから目撃者以外の児童に聞き取りをしなかったなど
必要な調査を怠ったということです。
(中略)
16日の判決で奈良地裁は、児童が足を蹴られたことに関する学校側の対応について、
「児童らからロールプレイングを交えるなどして聞き取り調査を行い、相応の調査は尽くしていて、
同級生には暴力行為一般に関する指導もしている」としました。

また、担任がノートに「花マル」を付けたことについて、
「女子児童から花マルをつけてほしいと頼まれた」などの担任の証言を採用したうえで、
「実際には女子児童に深刻な希死念慮(“死にたい”と思う気持ち)があったとはいえず、
女子児童の援助を求める行動を積極的に踏みにじった違法行為であるとは認められない」などとして、
児童らの訴えを退けました。

(女子児童らの代理人 松田真紀弁護士)「原告も非常に納得ができていません。
というのも事実認定に疑義があるからです。
(当時の担任が)突然、法廷で述べたことさえも、
言ったことがそのまま事実として認定されて、
それにしたがって判断がなされた」
——-

また、関西テレビの報道によりますと
——-
【原告側・松田真紀弁護士】「学校の先生が言ったことがそのまま事実として認定されて
それに従った判断がされた。我々は納得ができていません」
訴状などによると、奈良市の女子児童(当時)は、
2021年から約2年間にわたり、同級生から足を蹴られるなどのいじめを受けましたが、
詳しい調査は行われず、「適応障害」と診断されました。
(中略)
【女子児童の両親】「先生たちが組織として自分たちの非を認めないために、
色んなことを繰り出してきて、不信感が増す一方でした。
『これ以上娘を苦しめないでほしい』という気持ちで(訴えを)起こしたけれども、
もっと苦しめてしまってるのではと思います」

16日の判決で、奈良地裁の和田健裁判長は「担任は女子児童との対話を通じて、
深刻な希死念慮までないことを確認していて、違法行為とは認められない」
などとして、両親側の訴えを退けました。
——

時事通信では、
——
和田裁判長は、面談時に女児がそう書けば心配してもらえると思ったと話していたことなどから
「深刻な希死念慮があったと解されず、助けを求める行動を踏みにじったとは認められない」と認定。
同級生に手をひねられたり、蹴られたりしたと訴えた際の対応も
「仲直りの機会を設け、進級時にクラスを分け、いじめ発生の回避義務を尽くしていた」と判断した。
——

これらの記事からは以下のことが読みとれます。

1.目撃者以外の児童に聞き取りをしなかった
2.被害者が「そう書けば心配してもらえると思った」と述べたことがある。
3.担任の「女子児童から花マルをつけてほしいと頼まれた」を、裁判所は認めた
4.いじめには「仲直りの機会を設け、進級時にクラスを分け、いじめ発生の回避義務を尽くしていた」
として、義務を果たしたと認定。

ひどい判決があったものです。
「学校は対応していたので違法行為ではない」とは、よくいったものです。
「仲直りの機会を設けた」で済ませてしまうところに
学校の責任回避の姿勢が出ているのです。
学校の責務について、いじめ防止対策推進法においては、以下のように規定されています

「第八条 学校及び学校の教職員は、基本理念にのっとり、
当該学校に在籍する児童等の保護者、地域住民、児童相談所その他の関係者との連携を図りつつ、
学校全体でいじめの防止及び早期発見に取り組むとともに、
当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、
適切かつ迅速にこれに対処する責務を有する。」

ここで言うところの「対処する責務」は、被害者がいじめられないようにする、守るだけだはなく、
「いじめを解決する」責任でなければなりません。
その過程としての話し合いがあったり、個別指導があったりするのではないでしょうか。
いじめが止まらなければ意味がありません。
被害者が安心して学校に通えるようにする責任があります。
そのために必要なことは「話し合い」ではなく、加害者を指導する、端的に言えば「叱る」こと、
そして、加害者に心からの反省を促し、2度といじめないと加害者が誓うことです。

さらに担任の言う「花丸をつけてくれと言われた」という言葉がなぜ採用されたのでしょうか。
誰も見ていなかったはずです。証拠などないはずです。
裁判にいたるまでの学校との相談、交渉の経緯をつぶさに調べたら
一方的に棄却することはできないのではないかと思います。

人の心の痛みがわからない人間が裁判官をするのであれば、
もうAIが裁判官をした方がまだましなのではとも考えてしまいそうです。
いじめを受けた子の気持ちに寄り添い、かつ、学校の言い訳をうのみにせず、言い訳をさせない、など、
偏りのない判断を下せる方に裁判官になってほしいものです。
成績が良い、頭が良いだけでは物足りないように思います。
人格力を有した優秀な方が、裁判官となり、そして教師となり
子供たちのお手本となるような人生を送っていただきたいと思います。

もう夏休みです。
遊び、勉強、そして旅行にと忙しい子供たちだと思います。
心も身体も充電することができるのが、夏休みという時間です。
保護者の皆様にとっては、すぐそばにお子さんがいる大切な時間です。
ぜひ、心を配ってあげていただきたいと思います。
お子さんが悩んでいるように感じましたら、おはやめにご相談ください。

一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明

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